ユビキタスの街角

Friday, February 03, 2006

Web時代の論文

ネットで使える面白いシステムを論文にして学会で発表しようとすると、 大体以下のような手順が必要になる。
  • システムを作る
  • システムを公開して流行させる
  • しばらく運用してフィードバックを得る
  • 結果をまとめて論文にして投稿する
  • 査読が行なわれ、採録が決定する
  • コンファレンスで発表する
しっかりした学会の場合、このサイクルはどんなに短くても1年かかる。 作ってから1年もたったシステムを発表するのは面白くないに決まっているし、 話を聞く側からしても当然面白くない。 流行ったシステムの場合は聞く側もよく知っているはずだから聞いても面白くないし、 流行らなかったシステムの場合は聞いても面白くないであろう。 つまり 学会に参加しても、この手の面白い話が聞ける可能性は限りなく低いことになる。 それでは学会に行く人間は少なくなるだろうし、発表する意欲もおきない。
ネットワーク系とかインタフェース系とかユビキタス系とかの話について 学会の存在意義はかなり疑わしく、 もはや「権威づけ」としての意味しか無いと思われるが、 今後はどうなっていくのだろうか。

2 Comments:

  • 学会に意味がないとなると、そこを活動の場にしている研究者も意味がないということになりませんか。

    「ネットで使える面白いシステムを論文にして学会で発表」すること自体、どのくらい価値のあることなのか疑問です。論文ではなくシステムそのものの成功で勝負すればいいわけで、そうなると、それは研究者のやることなのか、という議論に行き着きます。

    つまりは、~系の「学会」の存在意義ではなく「研究者」の存在意義が疑わしいのではないかと思われますが、今後はどうなっていくのでしょうか。

    By Anonymous Anonymous, at 5:56 PM  

  • 研究とか開発の意味はあると思うのですが、学会で発表という現在の形態が苦しいと思うのですよね。商売にもなるし「研究」としても重要なテーマというのはいくらかはあると思います。

    By Blogger 増井, at 11:16 PM  

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