オリジナル文書: http://www.sm.rim.or.jp/~nus/kaze/kaze_smp.html

「風」「花」での日本語入力のしくみ

「風」での入力

「風」での日本語入力は、漢字一文字づつです。 しかし、単なる単漢字入力とは思想の異なるものです。 これから例を挙げて、それをちょっとだけ紹介したいと思います。

仮想鍵盤と漢字入力

例えば、「ふう」というかなを入力し、仮想鍵盤シフトキー (通常はスペースキーに割り付けられています)を押してみます。 すると、画面には次のような4段×10列の仮想鍵盤が現れます。
	○○○馮○ ○○○○○
	 ○○夫○○ ○○瘋富○
	  ○○梵風○ 覆諷楓豊○
	   ○封○○鳳 ○○○汎○
仮想鍵盤というくらいですから、 これはキーボード上の各キーに対応しています。 対応するキーを押せば、その位置にある漢字が入力されます。

例えば'o'のキーを押した時には、「富」という字が入力されます。 また'f'キーを押した時は「風」という字が入力されます。 目的の字がこの中にない時には、さらに仮想鍵盤キーを 押して次の鍵盤を表示して探していきます。

	○○○○○ ○○○○○
	 ○○○○○ ○○○○冨
	  ○○○○○ ○○○○○
	   ○○○○○ ○○○○○
このように、漢字候補を鍵盤上にそっくり配置してあるという仕組みが 「風」という日本語入力システムの素晴しい点その1なのです。

仮想鍵盤上の位置

次に、「かぜ」というかなを入力してみます。このときの 仮想鍵盤は、次のように表示されます。
	○○○○○ ○○○○○
	 ○○○○○ ○○○○○
	  ○○○風○ ○○○○○
	   ○○○○○ ○○○○○
ここで'f'キーを押すと「風」という字が入力されます。

ところで、さっき「ふう」という読みで仮想鍵盤を表示させた時の 「風」の位置と、今回の仮想鍵盤の「風」の位置とは同じであることに 注目してください。これが「風」という入力システムの素晴しい点その2 です。どんな読みを入力しても、同じ漢字は仮想鍵盤上で同じ位置に 出現するのです。この入力に慣れてくると、次第に「風っていう字は 鍵盤1ページ目の'f'だ」というように人間が学習してしまう ようになります。

「自分が学習して覚えた漢字はスラスラ打ち込める」 というのは、とても気持ちのよいものです。 私はもう、仮名漢字変換で 「頭ではわかっている字なのに、いつまでも候補が出てこなくてイライラ」 という生活には戻れなくなっています。

(もちろん、「変換効率**%」というおはなしは、技術の進歩を眺めるという 意味でキライではありません :-)

仮想鍵盤での漢字の位置

参考文献によると、漢字の使用頻度と指の使用頻度を 考慮してあるそうです。つまりホームポジションに指を置いた時の 中指の位置が最大頻度で、ここから遠くなるほど頻度が 下がるように設計されているのだそうです。 これもまた「風」の素晴しい点その3だと思います。

花配列

実は、かな入力に関しても、「風」の仮想鍵盤での漢字配置のように 使用頻度を考慮し、さらに運指効率までも考慮した配列が開発されました。 これが「花配列」(中指シフトかな配列)というものです。
	+--+--+--+--+--++--+--+--+--+--+--+
	|  |  |  |  |  ||  |  |  |  |  |  |
	|  |  |  |  |  ||  |  |  |  |  |  |
	 +--+--+--+--+--++--+--+--+--+--+--+
	 |ひ|け|ぇ|ほ|へ||ゃ|ま|そ|も|ぃ|「|
	 |ょ|て|と|こ|は||っ|く|う|る|ら|ー|
	  +--+--+--+--+--++--+--+--+--+--+--+
	  |ぁ|よ|ゅ|や|゜||・|ふ|ち|む|ぉ|」|
	  |す|か|★|き|た||ん|れ|★|゛|ろ|り|
	   +--+--+--+--+--++--+--+--+--+--+--+
	   |ぅ|せ|あ|わ|ゆ||ね|み|を|お|ぬ|  |
	   |さ|し|な|の|に||い|つ|。|、|め|え|
	   +--+--+--+--+--++--+--+--+--+--+--+

                ★はシフトキー('d'、'k')
花配列では、中指位置のキー'd''k'をシフトキーとして使用し、 キーボードの3段の中にかなを配置しています。 シフトはクロスシフトで、例えば「け」を入力するならば"kw"と打ち、 「み」は"km"ではなく"dm"と打ちます。

ちなみに「風」の現バージョンでは花配列はサポートされておらず、 互換の「嵐」「鳳」ドライバでサポートされています。


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