著者
Richard Halstead-Nussloch
タイトル
The Design of Phone-Based Interfaces for Consumers
書籍
Proceedings of the ACM Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI'89)
ページ
347-352
日時
May 1989
出版
Addison-Wesley
概要
This paper identifies guidelines for designing human-computer interfaces using telephones as terminals. Although they are ubiquitous and convenient to use, phones differ from screen terminals in two important ways: the information display is auditory and serial, and users do not have a pointer. The differences result in limitations for the interface designer. The guidelines focus on developing an effective interface within the limitations. Ongoing analysis, design, development, and testing work at IBM Poughkeepsie and literature are synthesized into guidelines. They present design options for user input, system output, and the system and user roles in a phone-based dialogue.
コメント
電話をインタフェースに使う(Phone-Based Interaction:PBI) ときのガイドラインについて。 ○ 電話の特徴 ・音声入出力しかできない ・どこにでもある ○ 電話のインタフェース ・入力:キーパッドまたは音声 出力:録音音声または合成音声 ・対話型式(プロンプトの方法、対話の構造、...)の設計がむずかしい ○ Self Help: 電話による計算機のガイダンスシステム ○ 入力 音声認識では以下の条件が満たされるところのでないと使えない (本当か?異論がありそう)ので、電話のキーパッドをもっぱら使用 することにする。 ・目または手が使えること ・特定話者 ・トレーニングの時間が充分あること ・語彙が小さいこと ・静かなところで使われること ・認識を間違っても被害が少ないこと ・間違いをみつけるのと訂正するのが簡単なこと ○ 出力 可能なかぎり録音音声を使うのがよい 合成音声を使うときは、 ・メニューを示す場合は、示される単語についてユーザが 前もって知っていることが必要 ・ユーザをあらかじめ合成音声に慣らせておく ・ユーザが合成音声の抑揚に慣れるようにするため、最初に 冗長な文句を付加しておく。 ○ 対話方式の選択 ・コマンドベースとプロンプトベースの2種類が可能。 ・コマンドベース 以下のようなとき使うのがよい(c.f. SFS[4]) ・モード数が少ない(4ー5) ・モード内では多くの機能がある ・ちょくちょくモードを移動する ・そのPBIがよく使われる ・プロンプトベース 以下のような場合に使う。Self Helpはこちらの場合に属する。 ・モードが多い(6以上) ・モード内の構造は単純 ・モードの移動があまり行なわれない ・PBIがたまにしか使われない ○ プロンプト ・初心者には詳しい音声メニューを使い、熟練者には何も言わ なくてよい ・熟練者の場合でも、メッセージの途中で割り込み可能ならば 音声メニュー方式でも問題ない。 ・音声メニューはメニューのタイトル、選択枝、終了メッセージ で構成する。タイトルによって自分が今どこにいるのかを知らせる。 ・「To do function X, enter Y」というメッセージを使う。 ("Enter Y for function X"とはしない。日本語なら自然にこう なるだろう。) ・初心者にとっては音声メニュープロンプト方式が一番である。 ○ メッセージでシステムの状態を知らせる。 ○ ユーザに選択させるとき、よく使われるものは最初に出す (あたりまえ?) ○ 音声認識が便利な点 →CHI87のパネル[2]を参照
概要
・こういう電話インタフェースだと盲人でも使えるはず。 ・それにしてもこんなあたりまえのような話が論文になる? ・米国の大きな会社に電話するとこの手の音声メニューで応答 されることがある。(ヨセミテに宿を予約しようと思ったら 全然つながらないうえにやっとつながったと思ったらこの手の 電話で応対されてしまった。メッセージがわかりにくいのを我慢 してやっと予約デスクまでたどりついたと思ったら「満室です」の ひとこと。Fuck you! 最初から人間が応対せい!) ・確かにどこのシステムも「To do something, press X」とは 言っていた。だからといって嬉しくも何ともないが。 ・銀行の「Bank by Phone」というシステムを時々使っていた。 預金残高が電話で調べられて便利。音声メッセージ+キーパッド で操作するが、熟練者は最初からメッセージを無視して コマンドをバシバシ入力して一度で目的の応答を得ることが できるので結構便利だった。(国際電話でも使えるのかしら)
カテゴリ
UI, Speech, CHI89
Copyright: (c) Copyright 1989 Association for Computing Machinery
Category: +UI Speech
        CHI89
Comment: 電話をインタフェースに使う(Phone-Based Interaction:PBI)
        ときのガイドラインについて。
        ○ 電話の特徴
        ・音声入出力しかできない
        ・どこにでもある
        ○ 電話のインタフェース
        ・入力:キーパッドまたは音声
        出力:録音音声または合成音声
        ・対話型式(プロンプトの方法、対話の構造、...)の設計がむずかしい
        ○ Self Help: 電話による計算機のガイダンスシステム
        ○ 入力
        音声認識では以下の条件が満たされるところのでないと使えない
        (本当か?異論がありそう)ので、電話のキーパッドをもっぱら使用
        することにする。
        ・目または手が使えること
        ・特定話者
        ・トレーニングの時間が充分あること
        ・語彙が小さいこと
        ・静かなところで使われること
        ・認識を間違っても被害が少ないこと
        ・間違いをみつけるのと訂正するのが簡単なこと
        ○ 出力
        可能なかぎり録音音声を使うのがよい
        合成音声を使うときは、
        ・メニューを示す場合は、示される単語についてユーザが
        前もって知っていることが必要
        ・ユーザをあらかじめ合成音声に慣らせておく
        ・ユーザが合成音声の抑揚に慣れるようにするため、最初に
        冗長な文句を付加しておく。
        ○ 対話方式の選択
        ・コマンドベースとプロンプトベースの2種類が可能。
        ・コマンドベース
        以下のようなとき使うのがよい(c.f. SFS[4])
        ・モード数が少ない(4ー5)
        ・モード内では多くの機能がある
        ・ちょくちょくモードを移動する
        ・そのPBIがよく使われる
        ・プロンプトベース
        以下のような場合に使う。Self Helpはこちらの場合に属する。
        ・モードが多い(6以上)
        ・モード内の構造は単純
        ・モードの移動があまり行なわれない
        ・PBIがたまにしか使われない
        ○ プロンプト
        ・初心者には詳しい音声メニューを使い、熟練者には何も言わ
        なくてよい
        ・熟練者の場合でも、メッセージの途中で割り込み可能ならば
        音声メニュー方式でも問題ない。
        ・音声メニューはメニューのタイトル、選択枝、終了メッセージ
        で構成する。タイトルによって自分が今どこにいるのかを知らせる。
        ・「To do function X, enter Y」というメッセージを使う。
        ("Enter Y for function X"とはしない。日本語なら自然にこう
        なるだろう。)
        ・初心者にとっては音声メニュープロンプト方式が一番である。
        ○ メッセージでシステムの状態を知らせる。
        ○ ユーザに選択させるとき、よく使われるものは最初に出す
        (あたりまえ?)
        ○ 音声認識が便利な点
        →CHI87のパネル[2]を参照
Abstract: This paper identifies guidelines for designing
        human-computer interfaces using telephones as terminals.
        Although they are ubiquitous and convenient to use, phones
        differ from screen terminals in two important ways: the
        information display is auditory and serial, and users do not
        have a pointer.  The differences result in limitations for
        the interface designer.  The guidelines focus on developing
        an effective interface within the limitations.  Ongoing
        analysis, design, development, and testing work at IBM
        Poughkeepsie and literature are synthesized into guidelines.
        They present design options for user input, system output,
        and the system and user roles in a phone-based dialogue.
Bibtype: InProceedings
Commentator: 増井
Keywords: Phone-based interface, Interface design guidelines,
        Telephones, Speech output, Voice recognition, Serial user
        interface, Convenient workstation
Booktitle: Proceedings of the ACM Conference on Human Factors
        in Computing Systems (CHI'89)
Month: may
Pages: 347-352
Author: Richard Halstead-Nussloch
CategoryType: CHI89発表論文
Title: The Design of Phone-Based Interfaces for Consumers
Year: 1989
Comment1: ・こういう電話インタフェースだと盲人でも使えるはず。
        ・それにしてもこんなあたりまえのような話が論文になる?
        ・米国の大きな会社に電話するとこの手の音声メニューで応答
        されることがある。(ヨセミテに宿を予約しようと思ったら
        全然つながらないうえにやっとつながったと思ったらこの手の
        電話で応対されてしまった。メッセージがわかりにくいのを我慢
        してやっと予約デスクまでたどりついたと思ったら「満室です」の
        ひとこと。Fuck you! 最初から人間が応対せい!)
        ・確かにどこのシステムも「To do something, press X」とは
        言っていた。だからといって嬉しくも何ともないが。
        ・銀行の「Bank by Phone」というシステムを時々使っていた。
        預金残高が電話で調べられて便利。音声メッセージ+キーパッド
        で操作するが、熟練者は最初からメッセージを無視して
        コマンドをバシバシ入力して一度で目的の応答を得ることが
        できるので結構便利だった。(国際電話でも使えるのかしら)
Note: 電話器をインタフェースに使うときのガイドラインについて。
CategoryYomi: かい89
Super: CHI89
Publisher: Addison-Wesley