著者
D. A. Henderson, S. K. Card
タイトル
Rooms: the use of multiple virtual workspaces to reduce space contention in a window-based graphical user interface
ページ
211-243
日時
July 1986
概要
ワークステーション上で仕事をする場合、ディスプレイが 小さいために困ることがよくある。実際、机上で仕事をする 場合は机いっぱいに資料をひろげるものである。この問題を 解決する手法は以下のようにいろいろ提案されている。 \begin{itemize} \item アプリケーション毎にディスプレイを専有する 初期のMacなど。アプリが切りかわるとディスプレイも かわる \item 「無理矢理ねじこみ」式 マルチウィンドウ、魚眼式、アイコン化など \item 大きな仮想ディスプレイを使う方法 Xのなんとかwmでも使われているような、広いディスプレイ の一部が見えているようにする手法 \item 複数の作業空間をわたり歩く方式 Roomsはこの方式。HyperTextもこの一種。 \end{itemize} Roomsでは仕事の種類別に"Room"(ウィンドウ使用環境)を設定し、 ドアを通じて別のRoomへわたり歩くことができる。たとえば メールを操作するRoom、論文を書くRoom、という具合である。 複数のRoomで同じウィンドウを使うことができるが、Room毎に その見え方が異なるようにすることができる。(あるRoomでは シェルウィンドウが大きく見えるが別のRoomでは別の位置に 小さく見えている、など。) Roomをわたりあるくためには 別のRoomへのドアを使うか、全部のRoomが見えるOverviewから 直接移動する。直前にいたRoomには簡単に戻ることができる。 環境をLispでプログラミングすることもできる。(増井)
感想
普通のウィンドウ使用環境とハイパーテキスト的手法が うまく組みあわされており、実用になりそうに思われる。 現存のウィンドウマネージャで採用されていないのが不思議。(増井)
感想
マルチウィンドウ環境で作業を行っていると, デスクトップが互いに重なり合う多くのアプリケーションウィンドウで 埋め尽くされることはしばしば経験することである.しかし,実際にある特定 のタスクを遂行するために必要なアプリケーションの数はそれ程多くない.例 えば,プログラミングをする場合にはエディタとデバッガ,メールの読み書き にはメールウィンドウというようにタスク毎に限定されている. D. A. Hendersonらの開発したRoomsは異なるタスク毎に異なるデスクトップ (ルームと呼ぶ)を割り当てることができる.各デスクトップにはそれぞれのタ スクを遂行するのに必要なだけのアプリケーションが起動され,ドアを開けて 他の部屋へ行くという現実世界のメタファでタスクスイッチングを実現した (図1).ここで注意しなければならないのは,彼らの研究は日々 のタスク分析に基づいたもので,単に机の次は部屋,部屋の次は家,家の次は 街という安易な連想で行われているのではない.PARCにおけるRoomsの研究は その後 3D Roomsの概念を経て, Information Visualizerへと移っていった. (小池氏bit別冊記事)
カテゴリ
UI, HyperText, Visualization
KoikeComment: "現在のウィンドウ環境では、ある仕事(例えばメール)をす
        るとき、エディタを起動し、メールツールを起動、次に論文
        を書く時は、メールツールを終了し、お絵書きツールを起動
        し… と、仕事(タスク)が変わるたびに、アプリケーショ
        ンを切替えなければならない。roomはこれらを仕事単位にま
        とめた概念で、あるroomに入るとその仕事に必要なアプリケー
        ションに切り替わる。"
        という感じです。一部には、あるroomへ入るためのdoor
        iconのメタファーに着目した、完全に勘違いしている解説も
        あります。使えるかどうかは別にして、僕はわりと好きです。
Category: UI HyperText Visualization
Journal: ACM Transactions on Graphics
Commentxx: データが大量にある場合でもユーザがアクセスするのはその一部分
        であるという事実を利用したインタフェース(らしい)
Number: 3
Keywords: Rooms
Bibtype: Article
Author: D. A. Henderson
        S. K. Card
Pages: 211-243
Month: jul
Title: Rooms: the use of multiple virtual workspaces to
        reduce space contention in a window-based graphical
        user interface
Comment1: ワークステーション上で仕事をする場合、ディスプレイが
        小さいために困ることがよくある。実際、机上で仕事をする
        場合は机いっぱいに資料をひろげるものである。この問題を
        解決する手法は以下のようにいろいろ提案されている。
        \begin{itemize}
        \item アプリケーション毎にディスプレイを専有する
        初期のMacなど。アプリが切りかわるとディスプレイも
        かわる
        \item  「無理矢理ねじこみ」式
        マルチウィンドウ、魚眼式、アイコン化など
        \item 大きな仮想ディスプレイを使う方法
        Xのなんとかwmでも使われているような、広いディスプレイ
        の一部が見えているようにする手法
        \item 複数の作業空間をわたり歩く方式
        Roomsはこの方式。HyperTextもこの一種。
        \end{itemize}
        Roomsでは仕事の種類別に"Room"(ウィンドウ使用環境)を設定し、
        ドアを通じて別のRoomへわたり歩くことができる。たとえば
        メールを操作するRoom、論文を書くRoom、という具合である。
        複数のRoomで同じウィンドウを使うことができるが、Room毎に
        その見え方が異なるようにすることができる。(あるRoomでは
        シェルウィンドウが大きく見えるが別のRoomでは別の位置に
        小さく見えている、など。) Roomをわたりあるくためには
        別のRoomへのドアを使うか、全部のRoomが見えるOverviewから
        直接移動する。直前にいたRoomには簡単に戻ることができる。
        環境をLispでプログラミングすることもできる。(増井)
Year: 1986
Comment2: 普通のウィンドウ使用環境とハイパーテキスト的手法が
        うまく組みあわされており、実用になりそうに思われる。
        現存のウィンドウマネージャで採用されていないのが不思議。(増井)
Volume: 5
Comment3: マルチウィンドウ環境で作業を行っていると,
        デスクトップが互いに重なり合う多くのアプリケーションウィンドウで
        埋め尽くされることはしばしば経験することである.しかし,実際にある特定
        のタスクを遂行するために必要なアプリケーションの数はそれ程多くない.例
        えば,プログラミングをする場合にはエディタとデバッガ,メールの読み書き
        にはメールウィンドウというようにタスク毎に限定されている.
        D. A. Hendersonらの開発したRoomsは異なるタスク毎に異なるデスクトップ
        (ルームと呼ぶ)を割り当てることができる.各デスクトップにはそれぞれのタ
        スクを遂行するのに必要なだけのアプリケーションが起動され,ドアを開けて
        他の部屋へ行くという現実世界のメタファでタスクスイッチングを実現した
        (図1).ここで注意しなければならないのは,彼らの研究は日々
        のタスク分析に基づいたもので,単に机の次は部屋,部屋の次は家,家の次は
        街という安易な連想で行われているのではない.PARCにおけるRoomsの研究は
        その後
        <a href="#Robertson_3Drooms">3D Rooms</a>の概念を経て,
        <a href="#Card_InformationVisualizer">Information Visualizer</a>へと移っていった.
        (<a href="http://www.vogue.is.uec.ac.jp/~koike/">小池氏</a>の
        <a href="http://www.vogue.is.uec.ac.jp/~koike/papers/bit/bit.html">bit別冊記事</a>)