和田 秀樹
角川書店, November 2003
橋本氏の書評
一般の人が文章作成するときのコツについて書いた本のはずなのだが 裏表紙には「ベストセラーの書き方」と書いてある。
和田氏は口述筆記も含め、年に50冊も本を書いてるらしい。 また、時々はベストセラーを狙って書いているらしい。
和田氏は自分が天才ではなく、 読者の目線で本を書いているという自覚があり、 「並の人の言うことの方が世間では有用なのだ」という考えで本を量産しているらしい。 野口氏の「「超」文章法」もそうなのだが、 あまり賢くない著者があまり賢くない読者向けにわかりやすく書く本が ベストセラーになりやすいのかもしれない。
確かに文章は非常にわかりやすい。 (わかりやすすぎて簡単に飛ばし読みができてしまう。) 心理学的実験の話や知見が随所に出てくるが、 こういうものはどんな人にとっても面白い話題なのでウケるのだろう。
肝心の、文章を書くテクニックについてはごく普通のことしか言っていない (目次から書けとか、とにかく書く練習をしろとか、人の立場になって読んでみろとか)
文筆活動には定年が無いのだから、頑張れる限り執筆と自己変革を繰り返したいという 和田氏のスタンスは面白かった。 (ベストセラーをずっと書いてれば引退後の家計の心配なんて無い!)
(2004/2/18 増井)
和田氏は、日本の国語教育が「情緒的文章中心」だから文章を書けない人間が 多いのだという考えているようである。 日本の学校では、効率の良い伝達文を書く練習などは全くさせず、 ある程度長い文章を書く機会は「読書感想文」だけなので、 「作文=情緒的文章の作成」という教育方針がどこかに存在するのだと思っているようだが、 実は「文章読本さん江」で書かれているように、 明示来の綴り方教育の延長が読書感想文となって残存しているのであるから、 そのような伝統を完全に消し去る力をもつ強い作文教育方針が出現しない限り 「情緒中心」な国語教育は消えることはないであろう。残念ながら。
会社にいながら年収3000万を実現する - 「10万円起業」で金持ちになる方法」などという本まで書いているのね。こちらの方が面白いかも...
...と思ったら大間違いだった。

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「」
夏目漱石を専門とする大学助教授である筆者が、 息子の中学受験を機に中学入試の国語について考えた本。
前半の親子受験奮戦記みたいな部分はまぁ置いておいて、 なるほどと思わせるところは沢山あった。特に、p9の 「いま『国語』がやっていることは『道徳教育』である」 「子供たちは、ルールを説明されないままままゲームに参加させられているようなものなのだ」 「『道徳教育』を目的としている以上、『国語』で教えることのできるテーマはごく限られている」 という点は非常に納得した。 その他、 「物語には4通りの基本的な型がある」 とか 「逆接の接続詞を使って書くとうまく記述できる」 といった実戦的手法も述べられている。
Wad氏のページの壮絶な書評は非常に参考になる。
いろんな意味で悲惨な本である。まず何よりも、この人の息子は今後そうとう長い間、
「入試を親に手伝ってもらった男」という烙印を押されることになるだろう。
親がこんな本を書きさえしなければばれなかったかもしれないのに。たぶんグレる。
...
まあいろんな感慨はあるけれども、まとめれば、現代的な「受験勉強世代」の弊害が
こういう形で現れうるのだな、という感慨か。著者の石原千秋という人物を通して、
「受験勉強」というものがどういう風に再生産されるかが垣間見える。
清水義範の冗談本 「国語入試問題必勝法」 と同じような内容になってしまっているのは笑える。

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高島 俊男
文春新書, October 2001
自分にとってこれだけ勉強になった新書も珍しい。 平易に書かれており、 常々疑問に思っていたようなことの答がいろいろ書いてあって非常に勉強になった。 漢字についてはよく知っていると思っていても 実際には本質を何も知らない人も多そうである。 (筆順や送りがなにこだわる教育者など)
日本語には漢字が沢山使われており、日本人はそれがあたりまえのことだと思っているが、 実際は漢字(というか支那文字)というものは中国語のための文字であって 日本語とは全くマッチしないものであり、 漢字をくずして表音文字(かな)を作ってみたり/ 訓読みというものを発明してみたり (e.g. dogを「いぬ」と読むようなもの)/ 明治のころには欧米の概念を表現する単語を無理矢理創作したり (e.g. right→「義務」)/ することによってなんとか日本語が近代言語として成立しているという、 世界的にも特殊な状況であることがよくわかった。
ストーリーをまとめると 「日本語と漢字については歴史的に紆余曲折があり、 かなり奇妙な状況になってはいるのだが、 現状を受け入れつつ漢字と共存していかなければならない」 ということになるのだが、 その紆余曲折があまりにも面白い。

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「」
前半は、いろんな天才がいかに子供のときから本を沢山読んでいたかとか 本を沢山読むことが重要かとかの説明であり、 後半は実際の中学入試の現状やテクニックが書いてある。
本を沢山読んだから天才なのではなく、 天才だから本を沢山読めたのに違いないから前半は無意味に見える。 後半は中学受験には多少参考になる話が書いてある。 要するに有名学校は国語教育も多分しっかりしてるということなのだろう。
論説文の解き方の例として「本書のまとめ」が書いてあったのは面白かった。 どんな本でも、まとめがしっかり書いてあれば、 購入の参考にしたり後で内容を思い出したりするのに便利だろう。
(2004/2/18 増井)

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斎藤 美奈子
筑摩書房, February 2002
斎藤美奈子の本はどれも面白いが、これは特に面白い。
数あまたの文章読本著者逹のゴキゲンぶりを喝破したり、 ホンカツ他の著者が自分では気付いていないような 印刷言語至上主義にもとづいた隠れた権威主義をあばいたり、 読書感想文の歴史がわかったり、 とにかく面白くてためになる。
漢字と日本人では 明治来の文部省による漢字廃止運動の経緯がよくわかったが、 この本では、「綴り方」教育に始まる読書感想文運動の経緯がよくわかった。

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