James Dyson
日経BP社, May 2004
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「サイクロン掃除機」を発明したダイソン氏の自伝。サイクロン掃除機の発明 にいたるまでの数々の経験や、発明したサイクロン掃除機を実用化/商品化す るまでの様々なできごとや苦労が楽しげに書かれている。何かを作って世に出 して成功したいと思っている人には大変刺激的で面白く、元気が出る本である。
ダイソン氏はもともとロンドンのRoyal College of Artsでデザインを専攻し ていたのだが、高速に水上を移動できる「水上トラック」や、前輪を球にする ことによってはるかに扱いやすくなった手押し一輪車など様々なものを発明して 商売を軌道に乗せた後、たまたま見かけた集塵機を掃除機に利用できることに 気付いたのをきっかけに開発を行なったものらしい。英米の掃除機メーカや工 具メーカなどに何年にもわたって売り込みをかけたものの、条件の問題で契約 に至らなかったり、勝手に類似品を作って売られたり、あらゆる挫折を味わっ た後、日本の会社で製品化されたことをきっかけに爆発的に売れ始め、現在イ ギリスでは掃除機売上の半分以上がダイソン社のものになっているらしい。
既存の大メーカの立場から見れば、田舎の発明家の工夫などに大金を払う気に はならないだろうし、仮にそれが良いものだったとしてもなんとか特許の抜け 道を捜して自社開発を行なおうと全力をあげるだろうから、ダイソン氏が苦労 したのは無理もない。普通の人間ならば、何年もやっているうちに飽きたりあ きらめたりしそうなものであるが、実験開始から実用的な掃除機を作り出すま で3年も家に籠って実験を続けたり、完成した後もスポンサーを求めて何年も 世界を飛び回ったり、根っからの発明家であることに加えて大いなる信念と根気 をもって開発や売り込みをし続けられたことが成功に結び付いたことがよくわ かって感動的である。(2004/6/10 増井)
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現在日本製のサイクロン掃除機は沢山売られているが、これらはすべて本物の ダイソンのサイクロン掃除機とは別物で、紙パックこそ必要ないものの、フィ ルタは使われるから目づまりが発生するし奇麗な空気が排出されるわけでもな い。値段は3倍ぐらい違ったりするのだが、この本を読んだ後ではやはり本物を 使うしかないと思うであろう。 6月末に日本市場向けの小型の新製品を出すということで、製品の発売にあわ せて出版したとしか思われないところにも商売上手さが感じられるが、とにか く面白い話が満載なのでおすすめである。
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製品はこれ

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吉田 たかよし
講談社新書, June 2003
時間を有効に使って勉強する方法が沢山書いてある。 方法はそれほど目新しいものばかりではないのだろうが、 自分がその方法を試したときの効果のほどや、 医学的知見などが書いてあるので説得力がある。 うまくいかなかった方法の経験についてもいろいろ書いてあるのも面白い。 受験とか資格とかのための効果的勉強法として一読の価値はあるだろう。
著者はいったい何を目標に勉強してるのかさっぱりわからないのが不思議ではある。 効果的に勉強して灘中に入り、 効果的に勉強して東大に入り、 効果的に勉強して医者や国家公務員試験その他もろもろの資格をとり、 ... といった生活を送ってきた結果、 効果的に勉強することおよびその啓蒙活動が最終目標になってしまったのだろう。 そのノウハウ伝授が人の役にたっているのだから良いのかもしれないが 空しい気分は残ってしまう。 (2004/4/27 増井)

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数学パズルの本は多いがこれは特におすすめである。 単に面白いパズルを紹介して解くだけでなく、 さらに拡張した問題を考えてみたり、 数学的トピックスに関連づけてわかりやすく説明している。 有名中学の入試問題や数学オリンピックからも 問題を持ってきているので 受験生にも役立つと思う。
ピーターフランクルの本はどれもおすすめかも。 (2004/4/8 増井)

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岡本 薫
岩波書店, December 2003
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日本の著作権関連立法や処理を扱っているらしい文化庁の役人が書いたものであり 手前ミソな部分(著作権法のインターネット対応とかJASRACの効用とか)を除くと、 わかりやすく広い視野から書いてあるように思われる。
(2004/2/17 増井)
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JASRACを使うと音楽著作権が一本化されているからユーザが悩む必要はなくて 便利だというが、 権利が集中しているからロクな評判がたたないのであろう。 文化庁からの天下りが多く、 ヒマな職員が多ければ、 あちこちに無用のクレームを行なうといった無駄な行動をしがちだろうし。
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p139では「輸入権」について書いてある。 海外で安価に製造されたものの輸入を制限することができる輸入権については 何度も検討されてきたが、各国の反対にあって成立していなかったらしい。 ところが、近頃これが成立しそうになっており、 アジアで売られているCDを日本に輸入したりすることができなくなってしまうかもしれないらしい。 (毎日の記事)

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津田 久資
PHP, 2003
著者は高校の同級生で、 MBAを取得してボストンコンサルティンググループというところでマーケティングのコンサルを多数やってたらしい。 マーケティングの世界は、いろんな発想が必要だという点では研究者と似ているものの、 革新的なものを作る必要はないとか、 網羅的分析が重要だとか、 他人を相手にする商売であるとか、 理系の研究とは若干異なる頭の工夫が要るというところが面白かった。 この手の本の中では評判が良いらしい。 MECEに代表されるような、コンサルティングで使われている各種の網羅的手法は 研究におけるアイデア出しにも役立ちそうである。 MBAの勉強をしなくても この手の手法について耳学問できたのはありがたかった。
学会の理事のような仕事はこういったマーケティング的要素が多いわけだが、 そういう仕事をしている人はもともと理系の研究者がほとんどなので、 この手の発想が特に得意とは限らない。 理事としてちゃんとやるためにはこのようなビジネス本で勉強する必要があるような気がする。
(2004/2/3 増井)
精緻な場合分けのことを「ロジカル」と言ってるようだ。言いすぎ?

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高島 俊男
文春新書, October 2001
自分にとってこれだけ勉強になった新書も珍しい。 平易に書かれており、 常々疑問に思っていたようなことの答がいろいろ書いてあって非常に勉強になった。 漢字についてはよく知っていると思っていても 実際には本質を何も知らない人も多そうである。 (筆順や送りがなにこだわる教育者など)
日本語には漢字が沢山使われており、日本人はそれがあたりまえのことだと思っているが、 実際は漢字(というか支那文字)というものは中国語のための文字であって 日本語とは全くマッチしないものであり、 漢字をくずして表音文字(かな)を作ってみたり/ 訓読みというものを発明してみたり (e.g. dogを「いぬ」と読むようなもの)/ 明治のころには欧米の概念を表現する単語を無理矢理創作したり (e.g. right→「義務」)/ することによってなんとか日本語が近代言語として成立しているという、 世界的にも特殊な状況であることがよくわかった。
ストーリーをまとめると 「日本語と漢字については歴史的に紆余曲折があり、 かなり奇妙な状況になってはいるのだが、 現状を受け入れつつ漢字と共存していかなければならない」 ということになるのだが、 その紆余曲折があまりにも面白い。

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幾何問題などを解くのに必要な思いつきにいかにしてたどりつくかや その指導法を論理的に解説している名著。
お受験勉強にも活用可能かもしれない。
(2004/2/18 増井)

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斎藤 美奈子
筑摩書房, February 2002
斎藤美奈子の本はどれも面白いが、これは特に面白い。
数あまたの文章読本著者逹のゴキゲンぶりを喝破したり、 ホンカツ他の著者が自分では気付いていないような 印刷言語至上主義にもとづいた隠れた権威主義をあばいたり、 読書感想文の歴史がわかったり、 とにかく面白くてためになる。
漢字と日本人では 明治来の文部省による漢字廃止運動の経緯がよくわかったが、 この本では、「綴り方」教育に始まる読書感想文運動の経緯がよくわかった。

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Tom Kelley, Jonathan Littman, ホ離 シ鄲ヌ (フ, 秀岡 尚子 (訳)
早川書房, July 2002
IDEOの発想術の片鱗がわかる貴重な本である。
顧客に聞くな!
超MBA式ロジカル問題解決でもそう言っている。まぁ当然のことかも。
私は「デザインが大事」とふだんから言ってる割には あまり世の中のデザインに無頓着だったことに気付いてしまった。
ある日たまたま駅を見るとJRの色分けシステムに感心した。
問題を見つける技術が必要だと思う。 問題がわかれば誰でも解決できるからである。
コインロッカーの金穴とかぎあな、という問題を発見した。

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ステガノグラフィなど情報隠蔽についての本。有用そう。 オープンソースムーブメントの本 も書いているらしい。
各章は以下のような内容。
6. 文字の出現頻度情報からにせ文章
7. 文法知識からにせ文章を作る
8. Reversible Turing machineを使う?
9. ノイズに混ぜる
10. 匿名リメーラ
11. 秘密放送
12. キー
13. 並びかえ
14. 拡散
15. 生成した情報への埋め込み TeXの行間とか
16. Watermark
17. 解析する方法

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西村 佳哲
晶文社 , September 2003
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「働き方研究家」という肩書きだったので、 センソリウムの西村さんと同姓同名の人がいるんだなと思ったら同一人物だった。 いろんなデザイナやパン屋、サーフボード職人などをたずねて 仕事の哲学をインタビューしている。
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西村氏は、安物やいい加減な商品は「仕事」ではないと考えているらしく、 時間をかけて得心いくものを作ったりデザインしたりしているような こだわりの職人のような人ばかりが登場する。 (いわゆる「いい仕事」のこと。)
それはそれで結構なのだが、そういう人達や商品ばかりでも困るだろうし、 ひたすら安くて便利なものを作るというのも仕事だろう、と思わないでもない。
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William Poundstone, 松浦 俊輔 (訳)
青土社, June 2003
マイクロソフトの入社試験は1日がかりで行なわれ、 「富士山を動かすには何日かかるか」とか 「南に1Km, 東に1Km, 北に1Km行ったらもとにもどるような場所は地球上に何ケ所あるか?」 のような奇抜な問題が出題されるらしい。
これは遊びでやっているわけではなく、 無能な人材を雇ってしまうことは良い人材を雇いそこねるよりも悪いということから、 絶対に無能な人間を雇わないようにするための工夫らしい。
パズルを解く能力が製品開発能力と直結しているかどうかは疑わしいが、 アメリカでは採用にあたり年齢や性別などを聞くのは違法とされているなど、 厳しい制約の中でハッカー的素質をもつ人材を選ぶための苦肉の策ということらしい。
このような、米国の就職事情についての話も面白いが、 出題されるというパズル問題そのものに面白いものが多いし 詳しい解答も示されているため楽しく読むことができる。

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Henry Lieberman
Web文書, 2003
「評価中心主義: 逝ってよし」
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そのとおり! もっと怒れ!!
CHI Placeで議論があった模様。 (2003/8/4 増井)

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Hugo Liu, Ted Selker, Henry Lieberman
CHI '03 extended abstracts on Human factors in computer systems, pp. 740-741 , April 2003
6類の「Ekman emotion」を使って テキストの「Affectiveness」(感情?情動?情緒?)を視覚化する。 テキストの気分というのは膨大なデータベース (OpenMind) から抽出する。 センテンスごとに気分を抽出し、それをクラスタ化して大きな気分を表現する。 (2003/8/7 増井)

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Patrick Baudisch, Ruth Rosenholtz
Proceedings of the ACM Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI2003), pp. 481-488, April 2003
携帯端末の画面の外側にある点の位置を示すために その点を中心とする円を描いて画面内に表示する方法。 なかなか面白い。 (2003/8/7 増井)

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商品が爆発的に流行するまでを段階に分けて考えると、 珍しもの好きが喜んで使う段階から 普通の人が使うようになるまでに大きな溝があるという。 この溝をどのようにして越えるかに関して議論している。
特定分野に注力して浸透させていく作戦が良いらしい。

訳本「キャズム」が翔泳社から出ている模様。

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